陶芸 教室もやっている 工房あべ

陶芸ひも作り

陶芸 たたら作り

作陶技法 てびねり

陶芸技法 取っ手をつける

作陶 高台削り

作陶の流れ

陶器作りの流れをご案内します。


陶器を作るときの大まかな流れは「粘土を成型する→乾燥させる→素焼きをする→(下絵を描く)→釉薬をかける→本焼きをする」という具合です。
九谷焼などのように上絵を用いる場合は、本焼きの後に上絵を描いてもう一度焼成します。

ところで、陶器は縮みます。本焼きが終わって完成した段階では、それを成型した状態の時きよりも、10〜20%(土によって違いがあります)ほど縮みます。

例えば、成型した時に10センチのものは焼き上がりの段階では8〜9センチになってしまいます。
だから、そのつもりで大きさを決めないと「作っているときは湯飲みのつもりだったのに、出来上がったのを見たらぐい飲みになっていた」などということも・・・。


成型

粘土で湯飲みや皿などの形を作りますが、その方法には次のようなものがあります。

手びねり(たまつくり)
粘土の塊を手指で伸ばしながら成型します。大きいもの高さがあるものの成型には適していませんが、湯飲みなどは十分作れます。
ひも作り
粘土をひも状に伸ばし、それを巻き上げながら積み上げます。高さがあるものを成型する際には必要な技法です。
たたら作り
タタラ板をつかって同じ厚さにスライスした粘土をタタラといいますが、それを使って成型します。タタラはローラーなどで粘土を延ばして作っても良いでしょう。型抜きクッキーの感覚です。
タタラを石膏型などに押し付けて成型する(型おこし)と同じ形のものが作れます。
またドベ(粘土の「泥」のこと)を使ってタタラ同士を接着することによって箱状のものや筒状のものも作れます。
鋳込み
粘土に薬品を入れて泥状態にしたものを石膏型の中に流し込むと、石膏型が水を吸い込み、石膏型の内側に粘土の層が形成されます。この方法だと同じ形のものが作れます。
ロクロ成型(水挽き)
ロクロをまわしながら成型する方法です。手に水をつけて粘土をぬめらせながら成型しますので水挽きとも言います。
高台を削る
茶碗の底の部分を見るとちょっと高くなっています。この部分を高台(こうだい)と言いますが、これは粘土が半乾きのときに削って作り(削るのではなく、くっつける「つけ高台」もあります)ます。
取っ手をつける
急須の注ぎ口・取っ手、コーヒーカップ取っ手などは別々に成型して、ドベで接着します。

乾燥

次の工程である素焼きのための準備段階です。十分に乾燥させないと、素焼きのときにヒビが入るかも知れません。

素焼き

粘土を乾燥させただけでは「焼き物」とはいえません。

乾燥させただけの粘土は、水につけると粘土に戻ってしまいます。後工程の「釉薬かけ」では水に溶いた釉薬に器を浸しますのでそうなっては困ります。そこで、800度くらいで焼成します。そうすると、水につけても粘土に戻らなくなります。
しかし、素焼きをしただけでは器としては使えません。素焼き状態では、素地に水が浸透して、さらには漏ってしまいます。
そこで、後工程で、「釉薬をかけて本焼きをする」のですが、そうすると器として使えるようになります。

下絵付け

釉薬をかける前の素焼きの器に、呉須(ごす)や紅柄(べんがら)で絵など描いても良いでしょう。それを下絵と言います。下絵は無くてもOKです。
呉須(ごす)はコバルト化合物を含んでいて、焼成すると濃い青色を発色します。紅柄(べんがら)は酸化鉄が主成分で、赤色を発色します。

釉薬(ゆうやく)かけ

陶器の表面はガラス状になっていますが、それが釉薬をかけたものです。
釉薬は「うわぐすり」とも呼ばれています。原料は灰・長石などです。

本焼き

1230〜1250度で本焼きをします。

本焼きすると、素地は素焼き状態の時とは比べ物にならないほど、硬く焼き締まります。
ただ、陶器の場合、焼き締まっても素地だけでは水が浸透することがありますが、そこで釉薬の登場です。
本焼きをすると、素地が焼き締まる一方で釉薬は素地の表面で解けガラス状になります。それが陶器の表面に色合いを与えると同時に水漏れを防止する役割もします。

*焼成方法には「酸化加焼成」と「還元焼成」があります。

*焼成する窯は、熱源の違いで「灯油窯」「ガス窯」「電気窯」「薪窯(登り窯・穴窯)」があります。
ちなみに、私は電気窯を利用しています。